平成20年5月10日
No.191

 今年も課題作品コンテストを開催しました。年に一度、平成7年に始めて以来、実に14回目となります。第3回目からはその年の宮中の歌会初めのお題を頂戴して行い、みち、青、時、草、春、まち、幸、歩み、笑い、月、火、そして今年の「生」と続いてきました。その間、出品作品が10本以下になったのは「幸」の8本のみで、今年も10本の何れ劣らぬ名作が出品されました。折角の企画ですから、来年度もどうか皆さんのご協力で盛大に行いたいと思っております。
6月例会のお知らせ
 6月例会は14日(第2土曜日)の午後6時より難波市民学習センター(OCATビル4階)で開催します。10分以内のミニDVテープによる作品を持ってお集まりください。出席表の題名の横に音声の明細(16,12ビットの1か2かミックスか等)と(W)(HDV)を必ず書いてください。
春の課題作品「生」のコンテスト開催
 5月17日(第3土曜日)の午後6時より行いました。出席者は17名、出品作品は10本でした。司会は植村さん、記録、紙本さん、技術、関さん、受付、坪井さん、紙本さんで行いました。出席者全員が一人4票を投じる互選で審査を行いました。結果は下記の通りでした。(敬称略)
1
紙本  勝
川辺の生きものたち
9:10
2
奥   宏
出初め式の成果を生かして
9:50
3
有村  博
誕生そして今
9:25
7票  佳作賞
4
河合源七郎
生家物語 序章
9:58
14票  最優秀賞
5
水田 哲生
此れも人生行路なり
1:30
6
川口 晃市
思い出の生徒
8:25
7
石原 隆行
漁に生きる
5:00
8
安居 利次
生と死
7:20
12票  優秀賞
9
田中 良三
知 覧
9:50
10
堀  皓二
舞妓はん誕生
7:20
9票  秀作賞
写真左から、
優秀賞:安居さん
秀作賞:堀さん
佳作賞:有村さん

最優秀賞の河合さんはお休み


 10日(第2土曜日)の午後6時よりいつもの例会場にて開催しました。昨日まで初夏のような暑さでしたが、今日は曇り後小雨、気温もぐっと涼しさを感じる日となりました。出席者は見学者2名を含めて29名、 出品は16本、そのうちSDは2本のみ、Wが5本、HDVが9本となり、ハイビジョンが過半数を越える状況となりました。今月の司会は堀さん、書記、合原さん、技術、柴辻さん、受付、坪井さん、紙本さんの担当で行いました。

ワイド作品 ハイビジョン作品


1.川口晃市さん

大阪城の桜
(4分26秒)

先月は万博公園の桜を拝見しましたが、今月は大阪城公園の桜です。晴天で満開の桜がきれいでした。桜の下でブルーシートを敷いて花見の宴を楽しむグループ、なかにはコンロを持ち込んでバーベキューしているグループもありました。桜の根を傷めるのでバーベキューは禁止、という看板を見たことがありましたが、監視の眼も大らかなようです。さくらさくらの琴の音が心地よく、美しい桜の花を心ゆくまで見させて頂きました。

2.坪井仁志さん

四天王寺
(2分42秒)

ビデオサロンのビデオコンテトに応募するために作られた作品ですが、残念ながら落選しましたと作者よりコメントがありました。しかし、四面マルチ画面で高度なテクニックを駆使しておられ、うまく出来ているのに何故落ちた?と思いました。デジタルだから出来た技術ですが、プロのように上手に作られているので、アマチュアらしくないと審査員が考えたのでしょうか。これはこれで新しいビデオ映像の楽しみ方だと思います。柴辻さんがフィルム時代にカメラ3台を横に並べて3面マルチをやっていたと、懐かしそうに話していました。課題は4面の画面をどうスムーズに関連づけて編集するか、その辺のリズム性、ストーリー性かなと思います。

3.吉岡貞夫さん

東西南北
(10分00秒)

上映前、マージャンのトンナンシャーペーでっか?との声で、ひとしきり賑やかになりました。「そう思って頂いて結構です。横浜の中華街で主に各方角にある出入口門を取材してきました」との作者の説明があり上映に入りました。吉岡さんはよく仕事の出張の合間を利用して撮影してこられます。それがいつもよくまとまっていて立派な作品に仕上がっていますので、伺うと観光案内所などへ行って、まずはよく調べてから行かれるようです。手当たり次第に撮ってきた素材を、さてどうまとめたものかと思案するのが常の私も見習わなくてはいけません。この作品も東西南北に配置された華やかに彩られた立派な門を、歴史的解説も混じえて的確に描写されていて判り易くまとめられています。良い作品でした。

4.田中良三さん

奄美大島の散策
(9分45秒)

クレジットタイトルが風にゆれる枝に赤い実が色どりを添える印象的なもので素敵だなぁと思いました。地図を出して今日散策する予定箇所の説明があります。台風通過後の漁港での水揚げ風景があり、昔は船が沈むくらいの漁獲があったが今は半分になったと組合長のインタビューなどもしっかりと撮っておられます。続いて原生林へ行かれます。曇天で見上げた樹林が今一つ色彩の美しさに欠けるのはお天気のせいでしょう。ガイドの説明中におけるインサートカットがもっと欲しい気がしました。3番目は大島紬の工房、ここもすっかり観光コースの一つになっているようです。糸作りに10ヶ月、機織りに2ヶ月、着物一枚作るのに一年がかりだそうで、大島紬の高価な訳が理解出来ました。最後は島唄を楽しまれて奄美大島の散策を終えられました。

5.柴辻英一さん

旧天王貯水池村
(9分40秒)

ハイビジョンカメラで撮影したがケーブルテレビでの放送用にワイドで仕上げた、とまずは作者の弁。今や文化財となっている旧貯水池の一日公開日に取材してこられました。レンガ造りの立派なもので、明治の土木技術もたいしたものだと感心します。堺の町づくりの会員さんが総出で接待役を務めておられる様子と、その会員さんインタビュー、見学者の声なども収録されていて、このままケーブルテレビで流しても立派に通じる出来映えに、さすがベテランの柴辻さんだと感心致しました。

6.井脇 務さん

牡丹の長谷寺
(9分07秒)

6日前に撮影された由で、すぐに編集されて持参されました。長谷寺はおそらく過去に何回も行かれ、撮影ポイントも心得られ、作品構成も頭に描かれながら撮影されたものと思います。牡丹の咲く様子や花のアップ、観光客、寺の描写など的確に表現されていて結構な作品に仕上がっていました。前日の産経新聞に載っていたので翌日早速行ったとの事で、素早い決断、行動が作品作りの一つの要素かな、と思ったりしています。

7.堀 皓二さん

伊根残照
(6分20秒)

一人旅の紀行もの的な作品構成でまとめられています。このあたりの構成術は堀さんの得意とする分野で、この作品にも活きています。朝、伊根の漁港へ行き、イカの水揚げ風景を撮られています。大きなイカが箱の中に一杯入っていて活気ある情景が描写されています。その後、静かな伊根湾巡りの遊覧船の旅、甘い歌声が流れてきます。海岸線に伊根らしい舟屋が並んでいるのが見えます。ナレーションで舟屋は合理的で魅力的な営みに見えたと語りかけます。伊根湾の夕暮れ、ここを訪れた者だけが味わう至福の時間であると、最後は締めくくられました。

8.有村 博さん

斑鳩散策
(8分00秒)

お元気な有村さん、今度はレンタサイクルで斑鳩のお寺さんを巡ってこられましたが、法華寺から法輪寺、法隆寺というコースでは相当の距離があった筈。ご健脚ぶりに先ずは敬意を表します。適宜ご自分も入っておられるので、よき記念であり貴重なる記録にもなりましょう。まずは法華寺、飛鳥式塔で国宝とのこと。田園風景の中にあって奈良らしい風情があります。次はずっと南へ下って法輪寺。ここも飛鳥時代の様式ということですが、昭和19年に落雷で炎上、昭和50年に再建、薬師如来像など立派な仏像がある寺です。最後は法隆寺を詳しく取材されています。聖徳太子によって造られたという立派なものですが、現存しているのは8世紀頃に再建されたと説明があります。この程、中国のおエラさんがここを訪れ、3千人からのお巡りさんが警備に当ったとニュースが伝えていました。法隆寺は私が建築学科の学生の時、教授に引率されて見学に来た思い出があり、懐かしく拝見致しました。

9.天草 稔さん

春雪の金閣寺散策
(6分55秒)

小雪が舞う金閣寺の風情は良いものですね。三脚禁止のところですが、よく落着いて撮られています。梅の花が満開でメジロの姿をよく撮られており印象的なカットです。鹿苑寺、通称金閣寺は、境内には白蛇の塚とか瀧、澤など庭園も美しく絵になるところです。画面の下に解説の文字が流れますが小さくて後ろの席ではよく判らずじまいでした。文字はたくさん出ますと、そちらに気を取られて、画面を見るのがおろそかになります。この場合はナレーションが適切だったかなと思いました。音楽もフェードで何となく終っていますが、音楽の終りとエンドマークは合わせたいものです。

10.紙本 勝さん

国府宮はだかまつり
(9分15秒)

祭りを撮ったら紙本さんには敵わない、と言われる程、定評のある作者の「祭シリーズ」の一つ。今回のも”すごい”の一言です。天下の奇祭、とサブタイトルにあったように、裸の男たちの群が押し合いへし合いで、水をかけられ湯気が上がる様子を逆光で撮られている映像は圧巻でした。聞けば祭が始まると側へ寄れないのが判ったので観客席に数時間前から陣取って本番まで待たれたとか。周到な準備と忍耐、そして確かな映像感覚が必要なことが判ります。HDVカメラは10倍なので、これでは迫力ある映像は無理と判断され、キャノンXV2カメラ(DV)方式の20倍で撮られ、それをパソコン編集の際、HDVの中にDV画面を挿入された由。作者はDVが3分の1位混じっているので絵がきれいでない、と上映前にコメントされましたが、20倍の迫力ある画面で、画面の綺麗さ云々は気になりませんでした。

11.奥  宏さん

初夏の岡寺
(6分36秒)

一週間前に明日香へ行き岡寺を撮影してきました、との作者のコメントで上映が始まりました。しゃくなげの花が色どりを添え、新緑の境内にうぐいすの声が聞こえます。スピーカーから流れる女性の声で寺の由来などの説明がナレーション替りになっていました。お経の声、鐘の音、うまくマッチしていたBGM等、うまくまとめられた作品です。中間に丘の上から眺めた飛鳥の遠望が1カットあり、また寺の境内に戻りましたが、その辺りがアレッと少し戸惑いました。トップシーンかラストシーンに持ってこられたら如何でしょうか。

12.安居利次さん

今様猫事情
(7分45秒)

ペット好きな息子さん夫婦の家には、犬2匹、猫9匹が居るそうで賑やかな様子です。猫のトイレがあり、その中におからが入っていて排便後はそのまま水洗トイレへ流せる、という話は初めて聞きました。私が子供の頃、やはり猫を飼っていましたが、餌は人間の食べ残しのご飯や魚の頭と骨、それにみそ汁の残ったのをぶっかけてやっていました。ときどきネズミも捕らえて食べていました。排便は物置の柱の蔭でやっていたように思います。ペット事情も大きく変りましたネ。今どきの猫は好物の筈の干魚も食べないそうです。衣食住満ち足りた飼い猫たち、野良猫より倍ぐらい長生きするとか。”私も猫になりたい!”なんて思う人も居るかも知れませんネ。楽しい作品でした。

13.水田哲生さん

DAPで好きな音楽を聞く
(5分30秒)

びDAPとはデジタルオーディオプレィヤーのことで、パソコン内の音源を携帯用にしたものとの作者のコメントあり。何でも3〜5分の曲なら200曲位入る優れものとか。CDウォークマンやMDウォークマンよりDAPの方が良い、と作者が楽しんでいる姿が出て納得させられました。如何ですか、あなたも買ってみては?

14.西村光雄さん

桜に想う
(3分50秒)

ご自宅のすぐ隣が自衛隊の駐屯地で、桜の樹があるそうです。自衛隊と満開の桜、戦時中の軍と桜を連想して、作者にとっても思い入れの深い桜なのかも知れません。垣根の中をジョギングする自衛隊の若者たち、和歌の知識の豊富な作者が、桜の花のように散ってしまわない様に「花よりも命を惜しむべし」と言った意味の言葉で締めくくっておられます。垣根越しの桜でも桜は桜、同じ桜でも見る人により、場所によって色々な感じ方があるものだと、改めて感じ入りました。

15.板谷 濶さん

子連れママゴス熱唱
(8分20秒)

地元尼崎でゴスペルを歌うママサングループがあると新聞記事で知り、早速コンタクトを取って撮影に行かれた由。練習風景から本番のチャリティコンサートまで何度も通われて撮影されていて、なかなか良い作品に仕上がっていました。子供の表情も良く、泣いてる子供はいなかったとか。最後は客席も一緒になって盛り上がり、チャリティコンサートも大成功のようでした。板谷さんの最高傑作の一つだと思います。

16.岡部起久央さん

彦根城の桜
(6分39秒)

江戸時代初期に造営されたと云われる現存天守の彦根城、その城内に咲く桜の満開のときに行って撮ってこられました。トップシーンは堀にゆったり動く遊覧船、こうしたカットは今までの彦根城各作品でも見られなかったシーンです。城の歴史解説も判り易く、正当派的まとめ方でお手本のような出来映えでした。ちなみに桜は昭和の初期に市民総出で植えたものとの解説が印象に残りました。

今月の例会は、桜に始まり桜で終りましたが公開映写会に出してもよい立派な作品が多かった充実した5月例会でした。
以上で総ての上映を終り、いつものように喫茶組と居酒屋組に別れて2次会を楽しみました。
(今月の講評・合原一夫)