平成20年6月14日
No.192

 過日、日本アマの映写会でアマチュアが撮ったオーロラの映像を、私は初めて見ました。情報によりますとこの作者は今から5年前にフィンランドで初めてオーロラに出会った感動を何とか映像化しようと、氷点下30度の酷寒の地を何度か訪れて試行錯誤を繰り返し、今回アラスカでこの映像を撮影されたそうです。
 私達のビデオカメラでは被写体が暗くて写らないそうです。ISO 800のポジフィルムで1コマ20秒の多重露出で130枚の静止画を撮影しパソコンに取り込んで加工されたそうです。パソコンと相性の良いデジカメよりフィルムの方がカラーが美しいからだそうです。そして半秒〜1秒のカットをオーバラップして完成。おまけにプレミアプロよりファイナルカットプロの方が特殊効果が良いのでやり直しされています。
 酷寒の地ではカメラには総て木炭カイロを電池の所に装着し、全体をフリースで包み、上からビニールで保護、三脚も可動部分の油脂を拭いておかないと凍って動かなくなるそうです。勿論人間の防寒もです。こうして出来上った映像に感激しない筈はありません。
 今回のオーロラ映像こそアマチュアの作る究極の映像ではないか、と私は大いなる感動を覚えました。
(この項:有村)
7月例会のお知らせ
 7月例会は12日(第2土曜日) の午後6時より難波市民学習センター(OCATビル4階)で開催します。10分以内のミニDVテープによる作品を持ってお集まりください。出席表の題名の横に音声の明細(16,12ビットの1か2かミックスか等)と(W)(HDV)を必ず書いてください。
 今月は中間休憩の後、年度総会を開催します。作品発表時間が少なくなるかも知れません。ご了承ください。
年会費¥7,000.-の納入をお願いします
 7月から第17期になります。この会は皆さんの会費で運営されています。今年も会計担当の紙本世話役さんにお支払いください。なお2ヶ月経過してもご納入のない方は自然退会とさせて頂きます。どうかよろしくお願いします。
世話役の皆さんお忘れなく!
 例会日7月12日の午後1時30分より中央会館(OVCビデオフェスティバル開催の場所)会議室で世話役会を開催します。場所をお間違えなく、よろしくお願いします。

 14日(第2土曜日)の午後6時よりいつもの例会場にて開催しました。出席者は29名、出品は16本でした。今月の司会は有村さん、書記、西村さん、技術、柴辻さん、受付、紙本さん、坪井さんの担当で行いました。

ワイド作品 ハイビジョン作品


1.川口晃市さん

森の宮検車場にて
(8分10秒)

3月23日、地下鉄の森之宮検車場が初めて一般公開された機会に取材に行かれ作品にされました。この日は大阪市営地下鉄開業75周年に当たり、1日だけの公開だったそうです。懐かしいトロリーバスや旧型の市電の車両が展示され、昔の地下鉄の写真等もあり私が47年前に大阪に転勤した頃に乗った事を思い出し感慨も一入でした。ただ貴重な記録だけに、映像を時系列的に並べて紹介されれば歴史的な流れもよくわかり、折角の記録が更に生きるのではないでしょうか。

2.植村朝一さん

藤と白崎海岸
(7分20秒)

オープニングタイトルの前にスチール写真の撮り方の講義の様なカットが入れられており、何かな?と思って見ていましたら何故か撮影者はスチールカメラの方ばかり、最後に撮られた写真の講評のカットでスチール写真の撮影会にビデオカメラを持って参加されたのだとわかりました。仲々心憎い巧みな構成です。和歌山県の橋本市の子安地蔵寺(通称藤の寺)の見事な藤と、由良町にある公園全体が白い石灰岩で囲まれていて、青い海と氷山のような白い岩のコントラストが美しい白崎海洋公園を撮影されています。石灰岩の山は迫力があり、構成と併せて楽しませて戴きました。

3.増池 茂さん

西梅田キャンドルナイト
(7分00秒)

増池さんは今月から当クラブに入会されましたが、ビデオ歴はかなり長い方です。6月6日に西梅田で行われたキャンドルナイト(正式には100万人のキャンドルナイトと言うそうです)を撮影され、早速編集持参されました。昼の大阪駅の画像から西梅田の会場にカメラは移動し、夕暮れの光景から夜のキャンドルナイトにスムーズに編集が進みます。丁寧で丹念に撮られたカットの積み重ねで光の饗宴を堪能させて戴きました。音の方は全編BGMのみで構成されていますが、シーンによっては背景音をミックスされた方が臨場感が出る場面もある様に感じました。しかし全体としては雰囲気がよく出た好作品に仕上げられていたと思います。

4.田中良三さん

奄美のマングロープをゆく
(7分10秒)

昨年10月奄美大島に行かれた際にカヌーツアーに参加され、始めてカヌーを操られながらツアーの様子を撮影されました。慣れないカヌーで皆に遅れないように撮影されるのは大変だったそうです。要所要所に適切な説明を加えられ全体がよくわかる構成になっています。カヌーからの撮影もぶれが少ないのに感心しました。エンディングで語られて居るように、奄美にはまだまだ自然の神秘が残って居ることもよくわかりました。カヌーを1時間半も漕がれるパワーにも敬服です、努力の跡が偲ばれる良い作品でした。

5.河合源七郎さん

生家物語 序章
(10分00秒)

5月例会で行われた春の課題作品「生」で最優秀賞に輝いた作品の凱旋上映です。橿原の町屋である自宅の映像をバックに淡々と想い出が語られるシーンから始まります。その内に自宅が町の貴重な文化財と言う事になり町作りの懇談会が家で催されたり、小学生の見学等が行われるようになります。この見学のシーンを上手に組み合わされて建物の特徴が語られます、この構成は巧みで自然に作品に感情移入が出来ました。しかしこの家を文化財として維持保存するには所有者に多額の負担が掛かって来ます。政治は新しい箱物を作る事には熱心ですが文化財の保護には冷淡で、この矛盾に作者は鋭く斬り込んで居られます。こう言う貴重な文化財が、所有する個人にとって「負の遺産」にならない様にとの主張には全く同感で現在登録文化財の指定を申請中との事ですが、文化庁がこれを認め「正の遺産」としてずっと保存される事を望みたいと思いました。この作品は生家を語るに留まらず、文化財保護政策の問題点をご自分の視点で捉えられ共感を呼ぶ問題提起をされている点がとても素晴らしく、最優秀賞に選ばれて当然と改めて感じ入りました。申請が受理されてハッピーエンドの続編になることを期待しましょう。

6.井脇 務さん

春の大阪城
(6分25秒)

4月の桜の頃大阪城を撮影され音楽に載せて編集されました。桜も丁度見頃で好天にも恵まれて美しいカットが組み合わされてほのぼのとした気持ちで見せて戴きました。中間で早いカット代わりで多分リズムを変えて変化を付けようとされたと思いますが、こういう場合は画角やサイズをもっと変えられた方が効果的になるのではと思いました。お城と桜は良く似合いますね、春の1日をビデオで楽しませて戴きました。

7.堀 皓二さん

古くて新しい国
(6分30秒)

「近くて遠い国」と言う言葉はよく聞きますが「古くて新しい国」は何処だろうと一瞬考えさせる巧妙なタイトルはいかにもベテランの堀さんらしいアイデアです。その国はスロベニア、歴史の古いユーゴスラビアから1991年に独立した新しい国ということの様です。湖水観光の船も手漕ぎで環境保護にも力を注いでいる国との事でした。席上逆光を上手に使って居られるとの指摘がありましたが、美しいシルエットや水に煌く光の影等で映える画面を作っておられます。いつもの堀さんとは違う切り口の作風で未知の国を表現され大変結構な作品でした。

8.有村 博さん

佐紀路散策
(8分07秒)

佐紀路はあまり聞きなれない名前ですが、平城宮跡の北側に広がり多くの陵墓がある地域だそうです。大和路には有名無名の多くの史跡が有り国のまほろばと言われるのも肯けます。春の一日秋篠寺を皮切りに貸自転車で陵墓群を参拝されました。各カットは丁寧に撮られて居り、フィックスカットの合間にパンや自転車から撮られたドリーのカットが適切な位置に配されています。更にご自分を撮られたカットがさり気なく挿入されて変化を付けられ、飽きの来ない編集をされておられるのはさすがです。さり気なさの演出には洗練された感覚が必要と思いますが、この点について勉強させられるものがありました。自転車に乗りながらの撮影は片手運転でされたのでしょうか?ぶれが少ないのにも驚きました。

9.奥  宏さん

夏のいろどり
(4分00秒)

枚方市の山田池公園は花菖蒲と紫陽花で有名で、広さが甲子園球場の50倍あるそうでその広さにも驚きました。色とりどりの花菖蒲や紫陽花が静かな音楽に乗せて次から次へと紹介されます。カットも美しくきっちり撮られていて、長からず短かからずの4分に納められたのは適切だと思いました。居ながらにして花を堪能出来るのはビデオならではですね。最初に長いテロップが左から右へと流れていますが、字を読んでいると映像を見る暇がありませんでした。要点を短い文章に区切って、時間を置きながら流さないでオーバーラップされた方が折角の映像が生きるのではと思いました。

10.紙本 勝さん

生野銀山
(9分10秒)

兵庫県朝来市に有る日本3大銀山の1つである生野銀山は、昭和48年に廃坑になり現在は史跡・生野銀山として観光坑道が作られて町興しの一翼を担っています。紙本さんは持ち前のバイタリティでこの坑道を精力的に撮影され作品にされました。坑道には動く人形で当時の採掘の様子が再現されており、よく調べられて作られたナレーションと相俟って作業の様子や作業の進歩がよくわかりました。機械力の無かった頃、これだけの坑道で湧水の汲み出しや、換気送風、鉱石掘り出しには膨大な人員が必要で過酷な労働が強いられたのでしょう。力の入った良い作品でした。

11.安居利次さん

大阪駅周辺が変る
(6分35秒)

大阪駅の北操車場が廃止されて跡地が再開発されています。安居さんはたまたまヨドバシカメラにワイコンのレンズを買いに行かれた際、アクティ大阪の高層階からの建設中の眺めとハイビジョンTVで上映されていたCGによる未来映像からこの作品の制作を決められたそうです。私だったら見逃してしまう材料から抜群の閃きで作品を形にされる着想力は何時も感心するばかりです。今回早速購入されたワイコン(魚眼レンズ)で撮影された材料や過去の大阪駅の映像に上記のCGを上手にミックスされて、歴史的な経緯から未来の構想まで見事な構成で作り上げておられます。結びのナレーションで3年後に完成する近代施設を是非撮りたいと言っておられますが、お互い健康を維持し3年後も頑張りましょう。

12.柴辻英一さん

夜桜2題
(9分00秒)

堺市の川辺の桜並木を実験的な色で市が照明した様子を撮影されて、作品にされました。最初のロングのカットでは満開の桜と葉桜が交互に植えてあるのかと思いましたら、葉桜に見えたのはグリーンの照明のためとわかりました。これは作者の責任では無いのですがロングで見ている限りでは、グリーンに照明された桜もそんなに違和感は無いのですが、アップになりますと私には突飛過ぎる色に見えました。ベテランの柴辻さんらしくカメラワークに変化を付けられて編集も手馴れて居られて申し分が無いのですが、私には緑の桜が強烈過ぎてそちらの方の違和感に引き摺られてしまいました。見る方によって緑の桜の見方は違うと思いますので飽くまでも私見と言う事で御容赦下さい。お役所としては思い切った色を使われたのでしょうね。今年の結果で来年の照明の色を変えられるそうですが、どんな色にされるのでしょうか。イメージで作られた夜桜お七について、席上お七の映像はイメージに相応しく、ぼかしを掛けられてはと言う意見がありました。

13.板谷 濶さん

春2題
(5分15秒)

板谷さんが住んでおられる尼崎市内の2つの公園で、クローバとバラを撮影され「四葉のクローバ」「野薔薇」の合唱曲2曲をバックに編集をされました。美しい花には美しい音楽が似合います、この相乗効果でとても爽やかな感じの作品に仕上がっている様に思いました。席上でも指摘があったのですが歌詞がテロップで出てきます。合唱は日本語でなされていますからこういう絵と音楽の雰囲気で見せる作品には、強いてテロップは必要がなくても良いように私も感じました。

14.水田哲生さん

万博公園・日本庭園の花
(7分40秒)

万博公園を良く題材にされる水田さん、もう自分の家の庭のように何処に何が有るかよくおわかりなのでしょう。今回は2月から6月までの4ヶ月間かけて公園内の花々を撮影されて作品にされました。多くの種類の美しい花のカットが鏤められてこれは結構な眺めですが、美しい花のみで8分に近い作品を保たせるのは仲々難しい事だと思います。例えば花や公園に対するご本人の想いで何らかのストーリー性を導入されれば、意図がはっきりして作品に深みが出ると思うのですが。

15.岡部起久央さん

ある鐵男のたわごと
(9分50秒)

タイトルの鉄男で鉄人のような頑強な人を題材にされたのかと思いましたら、オープニングタイトルで鉄チャンとルビが振ってあって鉄道ファンの事とわかりました。東京の鉄道博物館を取材されたのですが、ここも3脚や1脚の使用は禁止で、作者は苦心の策で持込を許可されたそうです。映像は3脚で撮られたのではないかと思うほど安定をしていて、説明も要点を要領よく説明されており一般の方も理解出来るよう、専門的過ぎる様な事は省略されて纏めておられるのは大変良かったと思いました。最後のジオラマも規模が大きく見応えがありました。私もセミ鉄チャンですが納得のいく良く出来た作品と思いました。

16.森田光春さん

ルアンプラバーン
(8分30秒)

ビデオの友人とラオスの北部にあるルアンプラバーンを訪ねられました。市街地が文化遺産としてユネスコの世界遺産に登録されている街の様です。田舎の情景に始まりアジアらしい牧歌的な風景が展開し、その後名所旧跡や住む人のたたずまい等多彩な画像で構成されています。しかし何故かナレーションが極端に少ないので画像の理解が今一出来なかったのが残念です。折角の珍しい画像なので映像の説明を十分されれば歴史的背景も理解出来、更に説得力の有る作品に仕上がるのでは無いでしょうか。

以上で総ての上映を終り、喫茶組の2次会を楽しみました。(今月の講評・西村光雄)